中世のイタリア商人・冒険家マルコ・ポーロは、
世界の東の果にジパングという黄金にあふれた国が
あると東方見聞録のなかで紹介した。
もちろんそれは、
イタリア男が頻繁につかう女性への
お世辞レベルのネタであることを
男が知らぬわけはない。
だが男はマルコ・ポーロが知らぬ真実を知っていた。
男からみて西の地に本当の黄金の国があることを。
なんでも彼の地は縄文時代から人々の暮らしがあった地域という。
平安時代以降は政争に破れた有力者が隠れ住んだ結果、
彼らの財宝が密かに埋められており、
中世には金の採掘が大規模におこなわれていたという。
その名残のせいか、
いまも一部地域には縄文人が生存し、
村役場にはケルベロスが門番として業火を吐き、
界隈の山々や川には黄金が満ち溢れているという。
この驚愕の事実を、
男はNetの片隅にある名もなきオカルトサイトで
とっくにリサーチずみだったのである。
この情報戦ともいえる現代において
男に抜かりはないのだ。
もちろん、前述の極秘情報を伝えたサイトは
現在では404エラーを吐くのみである。
サイト管理者に起こった悲劇は想像に難しくない・・・。
・・・そしてある年の10月末、
男はまだ見ぬ西の黄金の国へ向かった。
当日、いわゆる秋晴れである。
男のキャンプ時の晴天とやらが
にわかに信じがたい・・・。
村役場近くの検問所。
そこには凶暴そうなケルベロスが二匹、
うわさどおり睨みを効かせていた。
ただ、このケルベロス達、
金網越しに身体をさすってやると
ご機嫌でしばらく動かなくなる。
・・・さすがは地獄の番犬である。
彼らがダラッとしたスキに
男は命からがらキャンプ場に車を進めたという。
・・・到着後、探索拠点をさくっと設営。
1年以上ぶりのNomad Dogon3+1Airである。
カビまみれになっておらずきれいな再会だった。
・・・カビを理由に新幕を狙っていた
紅茶氏の舌打ち連射音が聞こえたような気がしたが
風のいたずらだろう・・・。
ランチは地元スーパーのコスパ高い品。
用途は薪を挟むあるいはインスタに映えるである。
誰がなんと言おうと便利なものは便利なのである。
つづく
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※この作品はフィクションです。
実在する個人団体に一切関係はありません。
多分。
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