男は車の名医とよばれていた。 無論無許可医である。 だが、そのオペレーションには定評があった。 あるときは配線終末処理を手抜きしたことからショートを引き起こし車内を白煙まみれにし、あるときは極性を真逆に取り付けたことに気がつかず、絶対点灯しないフォグランプと数時間格闘したこともあるという。 しかし、そのオーラは世相の人にはわかるのであろう。 ある道の駅では、何の面識もない美女がまっすぐ小走りで50m離れてぼんやりしている男に近づいてきて、 「パンク修理おねがいします!」 と頼んでくる始末である。(実話) ...