煽られ煽り運転(だれが彼に免許証を発行したのか)

By Nomadでオートキャンプ - 12月 06, 2018

「東京地裁で東名高速道路で発生した煽り運転死亡事故の公判が・・・」

ふと付けたテレビのどのチャンネルも、レポーターが神妙な顔つきで裁判所前から中継していた。
・・・この裁判も、この先どう展開したところで誰かを幸せにする結末にはなりえないだろう。亡くなった人々と当分会えることはできないのだから。

交通事故は、高度文明社会において最も避けるべき典型的事象である。平時において、これほど関係者全てを不毛や不幸に陥れる災いは他にないのだ。


・・・そんなことは誰でも知っているはずだ。
しかし、先程までテレビから聞こえていた音声は「いますぐ厳罰化を!」というもっともらしい安易な事後対策ばかりだった。真剣な顔つきのコメンテーターが滑稽に映って仕方がない。

この手の主張は金と脳みそを使わず視聴率が欲しいだけのマスコミ諸氏にまかせることとして、運転社会学者を自称するその男は、紫煙を吐き出しながらテレビのスイッチを切った。

・・・男は、この手の特異(精神疾患・飲酒・痴呆老人・無技術・無運動神経)運転者による交通関連トラブルを見聞きするたびに素直に思うことがあるという。
だれが彼らに運転免許証を与えたのか?
という単純な疑問である。

・・・運転免許証の発行は、都道府県公安委員会という現代日本最大級の茶番組織が独占している。
この実態なき巨大許認可機関(実態は都道府県警察の傀儡機関)が独占している運転免許書貸与に関する基準について、改革・見直し圧力が外部から掛からないことには(自己自浄は不可能。実態である警察側にメリットがすくない=苦労して変化した後の結果に責任を問われることが行政機関最大のリスク)、前述のような特異者による事故減少は期待できないことは明白だ。
なぜなら、刑法厳罰化はいわゆる事後対策である。
一方で、彼ら特異ドライバー(特に精神疾患系)に事後対策は抑止力になりずらい。
・・・損得勘定が苦手な彼らなのだから至極当然だろう。

当然、この手の特異者による交通事故は過去から連綿と存在している。しかし、年間の交通事故死者数が4000人を下回る現代においては、たとえ1%以下の犠牲者数だとしても取り組む価値がある課題だろう。特異者を排除することで確実に救える命があるのだから。

実際の所、交通事故死者数減少は、若年層の車離れや自動車メーカの設計努力によるところが多く、警察が行う事後対策的道路行政の関与は低いと男は考えている。・・・貢献したものはシートベルト着用義務化くらいだろう。

男は、それでもなお免許証制度改革に本格着手できない警察という行政組織に、改めて深刻な絶望感を覚えていた。40年間相も変わらず、旧態依然とした件数至上主義的交通違反取締や法改正、つまりは事後策にばかりご執心だからである。あの防衛省ですら、戦後70年間続けた北方防衛シフトから、実情より10年は遅れたが南西防衛シフトへ変革しつつあるにもかかわらずだ。

自らの尊い命を捧げて警鐘をならしたにもかかわらず、いままでと何も変わることなく同じような犠牲者を出し続けて構わないように見える運転免許証交付システムを、ただ保身理由で維持しようとする交通行政と、その太鼓を持つだけのメディアの現実に犠牲者は何を思うのだろうか。

・・・男は心の底から犠牲者の冥福を祈らずにいれなかったという。

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