エリートキャンパー達のGWキャンプ1

By Nomadでオートキャンプ - 5月 03, 2019


・・・その男達は屈強なエリートキャンパーだった。

エリート故に快適な気候下でのキャンプを求めてなどいない。
したがって、平地部が適温となる5月の連休とて、
できるだけ低温環境に挑むことを是とする猛者達である。

・・・決して、昨年からの冬季キャンプ(しかも平地)で
連戦連敗を続けた挙げ句、
冬装備を次々に買い揃えたときにはすでに5月だった・・・。
というわけでは決してないと口を揃えて主張する、
超弩級エリートキャンパー達である・・・。


メンバーは以下3組である。


■男(ドゴン3+1)
貨物量をみた後輩諸氏から英雄視ドン引きされる夫妻キャンパー。
ドゴン上部に設置したNASA製ルーフフライ
(実はただのブルーシート)がご自慢という先輩エリートキャンパー。




■後輩1(カマボコテントソロTC)
冬キャンプギアを揃える過程で、
真っ先にポータブル電源とバイオライトを購入し、
家電系路線を目指していた父娘キャンパー。

しかし、冬季キャンプをこなす中で屋外での家電機器の現実を知り
低温のあまり何度も眠れぬ夜を超えた結果、
一転して拝火主義の暗黒面に引き込まれた
悲しきエリートキャンパー。


■後輩2(CIRCUS TC BIG)
秋以降のキャンプですら
降雨(雪)遭遇率が85%に達する気象兵器級の泥酔夫妻。
己の運命に抗うがごとくTCテントを購入した挙げ句
カビに怯えるエリート雨キャンパー。
酒と焼き肉さえあれば降雪時でもタープすらはらないDQN猛者でもある。



ときは5月の連休。
とある高地の林間サイトの奥深く、

最後の冬キャンプを訪ねて
彼らは集結していた。

雨大臣の異名をもつ
後輩2夫妻参画のお陰で今回も降水確率は安定の90%。
もし彼、雨大臣夫妻の存在が世間に知れれば、
梅雨時期の香川県知事から
即招待状が届くことになるだろう。

泥酔すれば雨をも感じぬ雨大臣夫妻を除いて
他二組は諦念して降雨対策を施して臨んでいた。


・・・エリート達は設営時からただならぬ
頭上からの視線を感じていた。
長くキャンパー達を見続けたせいか、
テントのアルミポールに偽装しようとした
樹木が男たちを見下ろしていた。
折れるとアルミポールのそれとは比にならない
被害がでることをエリートたちは即時に無視した。

そして足元からは殺気。
天然正露丸的な何かが転がっている。
ただ人工正露丸と異なり、
摂取した場合の効能は不明である。

近くを流れる水路には
一昨日までの最低気温が-4℃だった証拠が残っていた。
これをみたエリートたちは寝袋を強化するわけではなく、
ただトイレに行きたくなっただけだという。

このような環境の異変をいち早く察知、
無視できることは
エリートたちの特技なのである・・・。


この日の最低気温は+6℃。
エリートたちが設営した
ポリコットンテント群には極めて適温である。

さらに低温に備えて
共有スペースには
クローズ+オープンタープのハイブリッド体制。


クローズタープ内には我らのキャプテンスタッグ重工業製の
秘密兵器薪ストーブKAMADOを設置。
地元産の極太広葉樹薪も調達済みである。


加えて紅茶氏が
別の側面からの低温対策を施していた。
これまた強力な手段である。

ちなみにこのおでんが、
後輩2の酔いどれ嫁によっておおかた駆逐される
こととなることを、
このとき誰も予期できなかった・・・。


・・・エリートの自負にあふれる後輩1、2は
彼らがフェザースティックと呼ぶ、
巷ではハードスティックであろう何かを次々に量産していた。

テントファクトリー製のTCタープ。
生地の厚みこそないが、
快晴・降雨時にはきっちり仕事をこなしていた。

家電主義あらため拝火主義後輩1が
オープンタープ下に設置したメラテレビ。
つい最近調達したものである。

酸化した天板の模様が美しい。

いつもながら後輩1は方向転換がエキセントリックである。
さすがエリートである・・・。


気がつくと、
後輩1、2がなにやらゴソゴソと不審な動きをしていた。
手際よくファイアスタータをこすり、

ほぐした麻糸に落火させ、

すかさず先ほどのフェザーハードスティックをかざし・・。

・・・結果はあえなく失火である。

この直後、ガストーチのゴーゴーとした燃焼音が響いていたことは
国家レベルの機密だという。

白樺と煙突だけが、
エリートたちの愚行の目撃者であった。


エリートたちの華麗なキッチン。




DODイレブンベースのそばには、
白樺に偽装しようとして失敗した何かが見えていた。

男が設置したエリート専用排気システムである。
・・・めげずにまだ使っていた。


本場の野沢菜は絶品である。

後輩1が持ち込んだ
ユニフレームの羽釜。

安定したパフォーマンスである。

後輩2が持参した高級赤身肉。
妙齢のエリートに優しい低脂肪高蛋白である。

紅茶氏が作成した煮込みハンバーグシチュー。
主賓のハンバーグ氏は映像に残る間もなく
あっという間に食されていた。


羽釜に念を送る後輩1

のどぐろを利用した炊き込みご飯を作成していた。
・・・味は想像に難しくない。


キャンプテンスタッグKAMADOと
ユニフレーム羽釜のコラボレーション。
文句なしのシンデレラフィットである。

続いてユニフレーム5インチダッチオーブンとのコラボ。

エリートたち特有の
まるで無意味な試行錯誤が続く。


日が落ち始め、
エリートともなると、
プレヒートの際にコックにも誤って炎を灯すことができる。

メラテレビにも火が入る。
後輩1はさすが拝火主義エリートである。
太い広葉樹薪で写真のような安定した炎とするまで
2時間以上掛かっていたことは一言も発しなかった。


一方、イレブンベース幕内では
KAMADOが稼働していた。
エリート煙突システムが排気不調のため煙が逆流。
何度も幕内の視界が1m以下に下がったことなど
先輩エリートたる男が自白するはずもない。


夕暮れが深まり、

それぞれの時間が流れていた。

エリート煙突システムが正常稼働した後は

地元産超極太広葉樹薪すらも

難なくなんとか燃焼させていた。


さらに夜が更け、
静まり返った場内。

ドゴン3+1が暗闇に浮かぶ。

泥酔後輩2夫妻の転倒防止ために
紅茶氏が設置した緑色に光るロープライトが浮かぶ。
・・・当然、エリートの千鳥足に効く機器などこの世にはない。
なんの躊躇もなくロープに引っかかっていた。

カマボコソロの幕体が
ランタンに照らされて白樺に映えていた。


つづく

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