天敵とバックパックキャンプ(一の瀬高原キャンプ場・その①設営)

By Nomadでオートキャンプ - 5月 20, 2019

ある日、ヤツから一通のメールが入っていた。
「一の瀬に行きます。チキンさんは来なくていいですよ。」(原文ママ)

間髪おかず返信。
「全く問題ない。クマさんは自重で膝をやられないよう気をつけたまえ。」(原文ママ)

・・・上等である。
ヤツが行くなら男に行けない理由などありえない。
そこが男の未踏たるバックパックキャンプ場であってもだ。
男には負けれらない闘いというものがあるのだ。


・・・そして5月の中旬。
いよいよ決戦の日を迎えた。
 

 寝床以外は普段の装備をほぼ流用である。

ざっと40kg弱だろう。
なんとかなると踏んでいた。

そして、いよいよ出発。
バックを背負おって立ち上がろうとしたとき、
なぜか体が起き上がらないことに気がつく。
・・・起き上がり小法師状態である。

・・・男が持っているオートキャンプの装備群は
快適性に重きを置いており、
当然のように携帯性は重要視されていない。

・・・あたかも肩に食い込むベルトの位置を
調整したいだけなんだよ的なふりをしつつ、
全筋力を総動員してなんとか立ち上がる。
もちろん、涼し気な顔のままである。

 ・・・野営地までは徒歩である。
眼下には渓流が、
額には冷汗が、
とめどなく流れていた。

ふと後ろを振り向くと
ヤツはカートを引いていた。

ふつふつと湧き上がる殺意は
背中の荷物の重みにあえなく沈んでいったという・・。

高低差わずか30m程度。
歩行距離にしてわずか数百メートル。
あぜ道を下り続ける。
気力で永遠の10分を踏破。

ようやく到着した渓流そばの設営場所。
渓流の美しいせせらぎは、
己の心音にかき消されて
しばらく聞こえなかったという。

ふと見ると先客がいた。
・・・もぬけの殻だった。

 
1秒も背負われていないとは
だれも思わないヤツのバックパック。
・・・カートから満を持して登場である。

ヤツよりも明らかにアイテム数が少ないにも関わらず
重さだけが際立った男のバッグ。


いよいよ設営。  
世話になる樹木に一瞥をおくり、

挨拶代わりの保護材を巻いた。 

いよいよ今日のためにあつらえた新兵器群の登場。 
ハンモック+タープ
双方ともAMAZONで揃うユニジア製である。

ハンモック自体は
初展開であることを気取られることなく設営できる。
簡単至極である。

ヤツの寝床。  
生意気にもいわゆるDDタープである。

対する男の、
芋虫。
・・・ではない。

・・・タープの方向を90度かえてなんとか完成である。  
DDタープ4m×4m
ユニジアタープ4m×3m
1mの差に張り方の制約を受けるとは不覚であった。

ヤツの奇襲を恐れたため、 
頑丈なカンヌキで施錠を行った。


ハンモック用寝袋も装備。 
ハンモックでは17度以下の気温で
快眠を狙う場合は
このような特殊寝袋(コクーンとはよくいった製品である)が
あったほうがよいということを知り
慌てて泣きながら調達した代物である。
・・・財布には大ダメージである。

なお、この内部にはさらに化繊の冬用寝袋が別途入っている。
明朝の予想最低気温は8度。
これでいけると踏んだ。


つづく

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