エリートキャンパー達のGWキャンプ2

By Nomadでオートキャンプ - 5月 04, 2019

翌朝。
・・・エリートたちの朝は早い。
決して年齢のせいではない・・・。


空は相変わらずの曇天である。
ここまでは奇跡的に一時小雨ですんでいたが、
午後からはいよいよ本格的な降雨予報。

雨に慣れきった後輩2夫妻は
とくに雨対策はない。


・・・高地特有の澄み切った仄かに甘い空気と
引き締まった気温があたりを満たしていた。
都会ぐらしのエリート達からすると
非現実的な朝の雰囲気に呆然としていた。

その傍らでは、
紅茶氏が朝食用サンドウィッチを
ダッチオーブンの刑に処していた。
・・・これまた非現実的な光景である。

幕内ではモーニングコーヒの作成が進む。
無論、朝の湯沸かしは最速・安定のガスコンロで行い、
撮影用に薪ストーブ上にヤカンを移動したことなど
エリートたるもの口に出したりはしないのである・・・。

賑やかな卓上に、

モーニングセットが登場する。
味はおそらく諸君の想像のとおりである。

エリートキャンプシェフたる紅茶氏は
いくつもの食材を単なる炭と化してきた
輝かしい実績をもっているが、
決めるときは決めるのである。
(・・・火を使っていない調理である)


続いて降雨前のランチ。

紅茶氏の飛び道具、
まさかの揚げ物。

マッドシェフの荒業が光る。



・・・食後、エリート後輩1がサイト内の倒木を
手動のこぎりで加工し、薪割り台を自作していた。

・・・泣きながら丸太切断を終え、
記念すべき薪割り第一投!
グニャシャ・・・
・・・立派な広葉樹薪自体はびくともせず
代わりに妙な音とともに即席薪割り台の外周部が欠損していた・・。

すぐさま斧様にオイルを塗布差し上げ、
この歴史的失態に口止めを施すことも抜かりはない。
これもエリートならではの嗜みである。


降雨直前、口の長いアブが
ドゴン3のロープで羽を休めていた。

幕内では
後輩1による
フェザーハードスティックの量産が続いていた。
エリートはめげないのである・・・。


着々と降雨時間が近づく。
両幕ともに

万全の降雨対策が完了している。


・・・午後、いよいよ本格的な豪雨となった。
地面にも一気に雨がたまる。
追加装甲(純ブルーシート)の取り付けや
排水路作成で右往左往するあまり
写真をとるひまなど微塵もなかったのである。

そして、豪雨時に天井はともかく、
ドゴン3の床面から浸水した事実の隠匿など
先輩エリートたる男には容易いことであった・・・。


一方で豪雨の最中、雨大臣たる後輩2夫妻は風邪でダウンして
サーカスビッグ内で休養中であった。
屈強な幕体をもつサーカスビッグのため、
雨を呼んだ当人たちは雨にまったく気が付かないという、
これまたエリートの為せる技だろう・・・。




夜が深まり小雨が続く中、
買いすぎた屈強な広葉樹薪の燃焼につき合わされる薪ストーブが、
若干めんどくさそうに業火を上げていた。



・・・撤収日の朝。
ようやく晴れ間がのぞく。
午後からは快晴とのこと。

後輩2夫妻のエリート雨キャンパーの能力が
遺憾なく発揮されていた。
エリートたちは息も絶え絶えに
定刻30分前に撤収作業を終えた。

4時間前まで、ここに紛争地域の難民キャプばりの
テントが乱立していたことなど
エリート達以外知るはずはない。



帰路にある麓の村で美しく咲いている一本の彼岸桜。

「お馬鹿さん達、懲りずにまたいらっしゃい」
と優しく語りかけられているようだった。

エリートたちは彼岸桜の懐深さに観念して、
諭された子供のように目礼してから帰路についた。


空の青と桜の薄紅のコントラストが
高地での遅い春の始まりを告げていた。


ロケ地:長野

----完----

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