エリートキャンパー達のノーサイドキャンプ7

By Nomadでオートキャンプ - 12月 17, 2019

・・・最終日、曇り空の朝。
最低気温は3度程度だった。

いまだ雨がふらないことに
エリートたちはおののいていたという・・・。

・・・前日食べ過ぎたにも関わらず
紅茶氏と後輩1の鍔迫り合いが始まっていた。
加熱のため薪ストーブ内に投入された
後輩1のアメリカンドッグ。

変わり果てた姿で炉内から登場である。
アルミホイル選手による
ノットリリースザボールがあった模様。
・・・もちろんトライならず。

対する紅茶氏の

ホットサンドと

あんまん。
こちらはトライ認定の仕上がり。
・・・今朝も満腹である。



食べ疲れた身体をひきずり
撤収戦へ。

忙しい時に限って、
青く輝く見慣れない甲虫の訪問をうける。
丁寧に見送りを差し上げた。
(後に軽い毒をもつ虫だと知る・・)



・・・3日間に及んだエリートたちの
勝者なき戦いに
名も知らぬ黄色い花が
ノーサイドを告げた。

美しい晩秋の森だけが
エリートたちのどうでもよい
戦いの目撃者となった。



「カサカサカサ・・・」


車に乗り込む間際、
一瞬吹き抜けた風とともに
身体にパラパラと舞い降りてくる
カラ松の黄葉と
曇の切れ間からの紺碧。

・・・森の静かな大歓声に包まれていることに
気がついたエリート達は、
しばらくの間、見上げたまま呆然と立ち尽くす
しかなかったという。


後輩達を一足先に行かせた男は、
誰もいなくなったフィールドをもう一度見渡し、
俯いて目一杯空気を吸い込んだあと
車のくすんだ白いボディーをポンポンと叩いた。


さして欲しくもないタバコに
なんとなく火をつけたとき、
遠くの鹿の鳴き声が聞こえていた。

---完---

ロケ地:長野県

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