「ハンモックの聖地にいきます」
・・・ある日、ヤツからメールが届いていた。
聞くと南米アマゾン川流域ではなく
山梨県大月市にある
月尾根自然の森キャンプ場。
・・・一の瀬高原の悲劇の記憶冷めやらぬ男は
そこが車を横付けできるキャンプ場と
聞いてニヤリとした。
「問題ない。そんなヌルいところでいいのかね?」
速攻で余裕綽々の参加表明を返す。
その後、ヤツからの最後のメールには
「いうまでもありませんが雨天決行です。」
と不吉な文字が記されていたという。。。
当日。
当然のように雨である。
・・・しかも普通に豪雨。
・・・神々はいつもどおり
我々の祈りには
極めて無関心である。
男が到着したとき、
現地には今回の集合を
聞きつけていた
後輩氏が先行していた。
彼は前夜からすでに入っているとのこと。
・・・明け方から雨に散々やられたらしい。
疲労感ただようタープのヘにやり具合が痛々しい。
しかし、めげずにメスティンパスタを食していた。
遠目からサイトをぱっと見た瞬間、
他人であって欲しい願いすらも
神が叶えることはなかった・・・。
雨だろうがなんだろうが
サクッと設営できる
ハンモックの強みである。
・・・さくっと設営は頼もしいが、
強度テストで寝っ転がるだけで
マジ寝てしまうことが
最大の弱みである。
・・・後輩氏の目撃談によると
男がハンモックに入ったあと
しばらくもぞもぞして
右足が出てきた直後、
そのまま
動かなくなったとの証言だった。
今夜の最低気温は16度とのこと。
やりすぎかとおもったが
マットなしのかわりに
OneTigrisの
コクーンを装備。
そしてヤツも合流。
・・・サンダルなので
素足ではないと
本人は主張していた。
吸血系の昆虫を愛でる諸兄以外には
決しておすすめできない装備である。
男の陣地。
ヤツの陣地。
後輩の陣地。
ビニール傘がスタンバっているだけで、
河川敷のおじさん達らしくみえるのは
なぜなのかを神に問うてみたい。
緑は雨に屈することなく
季節を謳歌していた。
遠目でみても多摩川河川敷スタイル・・。
ヤツのフェザースティック。
火打ち石から着火に成功。
すかさずの火吹き棒。
・・・当然、直後に失火である。
・・・何事もなかったかのように
バーナー着火による
焚き火が始まっていた。。。
3連合の全景。
日本にいる数百万人の
キャンパーの中で、
こんなにもビニール傘が似合うをサイトを
後輩氏以外に探すことは
不可能だと男は直感したという。
・・・後輩氏が持ち込んだバイオライト。
小枝を燃焼させることで
5V電圧を取り出せるという
ハイテク商品だという。
・・・ただ、充電ケーブルが溶ける
可能性を危惧して
発電機として稼働しているシーンを
見たことはない。
現地徴用の薪氏は
盛大に泡を吹いていた。
現地のシケシケ薪でも健気に燃える
ウッドストーブ。
高温で腐食したチタンコッヘルは
地上にかかる虹であった。
・・・すこしずつ雨脚が弱くなり、
霧雨に変わる頃。
夕暮れの足音が大きくなっていた。
続く
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