盟友、散る。

By Nomadでオートキャンプ - 7月 28, 2019

「・・・2万5千円~となります。」

・・・銀座のど真ん中でそれを聞いた男は、
ただ天を仰いだという。。。


7月某日。
・・・東京は銀座にある
キヤノンサービスセンタ。
平日夕方でも人影は多い。

訪問客はなんとなく
プロフォトグラファーらしき
シルエットが多いなか、
ビジネスバッグとスーツ姿の男が
小型のカメラを大事そうにかかえ、
修理カウンターに前で
呼び出しを待っていた。


・・・それまで快調だったM3が
突然電源が入らなくなったのだ。
一大事と、わざわざ銀座くんだりにある
キヤノンサービスセンタまで
直接出向いたのである。

・・・男の順番がくる。
M3を手渡された担当者は
基本的な動作確認。

結果、最低でも基盤と液晶の
交換が必須との診断。

そしてそのコストは冒頭の「2.5万円~」。

・・・事実上死亡診断である。

サービスマンに悪意はないだろうが、
その金額なら普通に
上位機種へ買い替え可能なデジカメの世界。
この金額で修理することに合理的な
意味はなくなってしまう。

「・・・連れて帰ります。」

男は大事そうにカメラを抱えたまま
無念そうに踵を返した。

・・・EOS M3 + 22mm単焦点レンズ。
いいやつだった。

1年前男が手に入れた
初めての一眼を名乗るカメラ(中古)。
各地のキャンプ場を昼も夜も彷徨った相棒。

コンパクトデジカメとは言えないが、
このボディサイズにAPSサイズのセンサーを搭載。
F2.0レンズとあわせることで、
まがりながらも星空撮影まで
できる能力がある事実を
10年まえに誰が予想できただろうか。


右側上部と背面にある操作系ダイヤル。

もちろん「?」な部分はゼロではないが
液晶内のソフトウェアのできと合わせて考えると、
どっかのS社にくらべて
非常にすぐれたUIだった。

M3とは夏に出会い。





秋を越え
 


冬を過ごし 




年を超え
 

早春と 

新緑を駆け抜けた。 



・・・もういちど電源ボタンを入れた。
通電時に聞こえるはずの
かすかなレンズ駆動音は
もう聞こえない。 

余生はゆっくりと自宅棚で
EF-M22mmレンズの固定部品として
活躍してもらうことにした。

しばしの休養である。

そう、いつか男がキヤノンに
返り咲く日が来た時のために・・。

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