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夏のTC(ポリコットン)テント内部は暑いのか?(スターウインドー作戦③)

By Nomadでオートキャンプ - 7月 19, 2018
・・・昨夜のアブ攻撃機の猛攻をしのいだ我々の翌朝。 再び太陽からの無慈悲な赤外線攻撃に備え、タープによる対空防御を固める我々である。 斜めだろうが、傾きだろうが知ったことではない。 生き残るためだけに速度最優先でタープを張ったのことは今回が初めてであった。 ・・・振り向くと何故かDOGON3の赤いコードからまったく動こうとしない現地民たるバッタ氏がいた。聞くとこの場を死守するという。 我々は勇敢な彼を迷いなく現地徴用の特命伍長に任命した。 ・・・このときは彼がそこにこだわる理由はさっぱり分からなかったのだが・・・。 その後、爽やかな早朝の空気はあっという間に消え去り、再び熱波が我々を襲い始めた。 昨日同様、我々は迷いなく風呂に一時撤退である。 そして、ようやく、 待ち望んだ夕暮れが近づく。 わずかに降った夕立の残滓が幕上に残っていた。 早朝に見掛けたバッタ伍長は生存しており、昼間の乾きを水滴で癒やしていた。 もはや歴戦の戦友である。  空はまだ高く、 もはや驚異的に映る夏の緑。 ・・・我々が敵う相手ではないことを悟るにはそう時間はかからなかった。 ・・・ようやく、木々の幹が夕日で照らされるころ。 ・・・紅茶軍曹が腕を奮った高級食材達がまもなく完成するのである。 フランスのSTAUB社風ニトリの高級風鍋の中には、 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・日本の最先端調理技術の結晶たる名品の数々が満載である。 さすがは紅茶軍曹である・・・。 ・・・いなばのカレー缶は仲間を呼んだ。 ・・・片っ端から粛清である。 ・・・いうまでもなく、その味は最高クラスの軍事機密である。 SP社ホオズキ風ただのセリアライトがほのかに灯り、 コールマンケロシンランタンは燃料切れで沈黙し、焚き火がぼんやりと辺りを照らす。 ・・・そして焚き火も消えた頃、 ・・・見なれぬ偵察機が、 仄かな光を放ちながら、我々の頭上DOGON3のポーチ天井部にその機体を休めた。 ・・・なかなか大胆不敵なスパイ機である。 ・・・点滅信号でおそらく何かを伝えているのだが、我々が知る様式ではなく解読不能であった。CIAに知らせた所で正しい暗号解析など期待できないことを知っている我々は、彼との遭遇を公式記録に残すことをやめた。 後ほどカーツ佐藤大佐の情報によると、彼は遠く平家の末裔らしく、稀にこの実験場を偵察に訪れているらしい。源氏への反撃開始時間を我々に知らせていたのかもしれないが、我々にそれを知るすべはなかった。 そして、見上げた上空にはさらなる怪しげな来訪者が現れていた。 このような怪しい発光体の写真に不慣れなヘカ曹長が撮影すると、当然のようにピンぼけた怪しい写真となるのである・・・。 軍曹からの冷たい視線を背中に感じつつ、就寝時間厳守を理由にそそくさと撮影を終了したのは言うまでもない。 ・・・この後、我々は寒くも暑くもないテント内で快適に眠りについた。 おそらく明け方はタープ+蚊帳だけだと若干肌寒い気温にまでおちたと思われるが、メッシュドアを半開にしたDOGON3+1インナーテント内は絶妙な気温であり、タオルケットを羽織ることで朝まで熟睡することができた。 当然のようにその幸せな時間の詳細が公式記録に残ることはない。 ・・・またもや寝ているのだから。 つづく スターウインドー作戦④ ...

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夏のTC(ポリコットン)テント内部は暑いのか?(スターウインドー作戦②)

By Nomadでオートキャンプ - 7月 18, 2018
・・・太陽からの猛烈な攻撃にあっさりと屈し、午後はさっさと風呂に逃げ出した我々だが、まだ一縷の望みをもっていた。 我々はイカロスと同じ轍を踏むべきではなく、その時を待つべきなのである。 「太陽さえ落ちれば・・・」 ・・・ようやく遅い夜の気配が忍び寄り、気温がゆっくりと下がってゆく。 そう、いよいよ我々の世界がやってくるのである。 ・・・まだ何も知らない我々は、そう思っていた。。。  早々と夜の闇歓迎委員会を組織、  焚き火を準備し、  ランタンも煌々と、  湯を沸かし(なぜだ?)、  夜の神への捧げ物を、  我慢しきれずに食した事実は軍事機密である。笑  空が淡いピンクとなり、  お肉は茶色に・・・、  ランタンはいよいよあたりを照らし、  ムジャヒディンっぽいおじさんも心なしか微笑みを浮かべた頃、 ようやく夜がやってきたのである。 (ヤカンは神の捧げ物として取手まで火炙りである・・。) 気温も20度中盤になり、そう、我々の世界である! ・ ・ ・ ・ ぶーーーーーん、ぶーーーーーん。 ん、友軍機か? しかしIFFは反応していない。 ・・・違う、アブ攻撃機だ! ここは我々の世界などではなく、完全なるアブの制空権下にあり、彼らが支配する世界だったのだ。 ※wikiより引用 「空軍の支援なんていつもこうだ。奴らお得意のケムトレイルが効いた試しなどない・・。」 毒づきながら我々は携帯対空火器としてスーパー森林香と押すだけノーマットで即応戦。激しい戦闘に陥った。 防空煙などお構いなしに前室に突入してくるアブ攻撃機。その機動は敵ながらあっぱれであった。ヘカ曹長のタオル攻撃はすべて空を切り、紅茶軍曹の冷ややかな視線に曹長は耐えかねる始末であった。 かくも勇敢な彼らの波状攻撃に、ついに紅茶軍曹が直撃弾を受ける(足二箇所)。 しかし、さすがは紅茶軍曹、かじり付いたとうもろこしを被弾中も放さなかったという。。。 ・・・夜が更けて気温が25度近くになってようやく、アブ攻撃機の猛攻が終わった。一方で、蚊攻撃機はまったくといっていいほど見かけることはなく、我々の被弾はゼロであった。 23:00に25度を下回った頃、疲れ果てた我々は眠りにつこうとしていた。 TCフライシート内のメッシュ構造インナーテント内部は、暑くもなく寒くもなく、快適至極であった。 必然的に眠りに落ちるまで数分も必要とすることなく、朝まで幸せな時間を堪能したらしい・・・。 朝まで一度も目覚めなかったので、幸せな時間の記録が存在しないことは、公開されることのない軍事機密なのである・・・。 つづく スターウインドー作戦③ ...

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夏のTC(ポリコットン)テント内部は暑いのか?(スターウインドー作戦①)

By Nomadでオートキャンプ - 7月 18, 2018
世界の天井と呼ぶにふさわしい山脈群を要するチベット長野県と、ベトナム山梨側の国境にほど近いダナン北杜市。その市役所の標高はすでに500m以上という。 二度目の東京オリンピックを目前にしたある年の7月14日-16日、 我々はそのダナン北杜市内から更に15kmほど離れた標高1000mの人知れぬ密林の山中に舞い降りていた。 そう、前回失敗に終わったTCテント NOMAD DOGON3+1の夏季耐久性ミッションを再び試みるためにである。 ・・・前回のミッションを振り返って、失敗原因はその標高にあると踏んだ我々。 標高600m程度だとベトナム山梨の猛暑に立ち向かえないという厳しい教訓を得た。 しかし、今回試験地は標高1000mである。つまり上空1km地点。 気温は少なく見積もって下界から-6度以上。しかも木が密集した山中である。 ・・・つまり今回は楽勝である。 「トラウトマン大佐の土産は何にしようかね?」と、鼻歌歌いながら現地に向かう我々を、かくなる試練が待ち受けようとはこのとき知る由がなかった。 そう、その数日間、下界の最高気温が39度に達するという重要な警報が、運命のいたずらとCIAの怠慢によって我々に届くことがなかったからである・・・。 ・・・これが後世の戦史研究家に多くの謎を残すこととなる「オペレーション スターウインドー」の幕開けであった。 ※夕方の光景 現地時間AM08:10 ダナン北杜市の主要県道から外れた後の道のりは険しく、 急な登坂路である。660ccノンニトロエンジンが狂おしい唸りを上げ続けている。 空軍はケムトレイル作戦を実行中であった。 ただ、最後に戦場の雌雄を決するのは常に我々歩兵なのだ。 ハンバーガーヒルを通り過ぎ、 1速でしか登れない坂道を超え、 山岳ゲリラのトラップを避けつつ、 苔むした狭路の先に、 そこは存在した。AM8:30現着(早すぎである・・・) 極秘作戦のため実験場名には一部加工をいれている・・・・。 ※CIAの手配書にある写真を引用 そこは脱走したカーツ・佐藤元大佐が20年前に樹立した自治区であり、以後独裁国家を運営しているという謎の多い実験場でもあった。 しかし、実物は引き締まった体つきの白髪フサフサのナイスミドルである。 所詮、CIAの事前情報などいつもこんなものだ。 こちらのイメージのほうがより正しい。 ※(別人だと?多少の忖度は兵士の重要な資質なのである・・・) ・・・早々に設営。 AM10:00 ついに試験準備完了。 ・・・・既に汗だくである。 この時点で気温は既に30度近くとなっていた。 日陰から一歩でも動くと、太陽から無慈悲な赤外線絨毯爆撃にさらされるのである。(日陰でじっとしてれば割と快適) 試しにインナーテント内へ潜り込むと、既にサウナ化する気配に満ち溢れていた。1000m地点でこの有様である。 今回もあっさりと作戦中止となったことはいうまでもない。 30度を超えると、TCだろうがなんだろうがテント内部は暑いのである!! 「曹長さんよ?この俺様に点火する勇気はあるのかな?」 ランタンから嘲笑のような声が聞こえたのはきっと風のせいだろう。。。 消火剤を隣において恫喝する気力すら、大量の汗とともに我々は失っていたのである。 つづく。 スターウインドー作戦② ...

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