夏のTC(ポリコットン)テント内部は暑いのか?(スターウインドー作戦④)

By Nomadでオートキャンプ - 7月 20, 2018


撤収の朝。AM06:00。
太陽の猛攻にさらされる前、早朝の空気に包まれた実験場は爽快そのものである。







今日も数時間後には灼熱に襲われるだろう。
しかし、木々が太陽に目隠しをしてくれている今、静寂と清涼で満たされたこの空間の快適さは筆舌に尽くしがたい。



・・・ともに戦火をくくり抜けたバッタ伍長は、未だDOGON3の天井部で歩哨を努めてくれている。
・・・よく見ると昨日より少しスリム体型になって見えた。徹夜の歩哨を敢行するとは見上げた心意気である。









 ・・・しかし、ふと見ると伍長の後方幕上に、あからさまな不審物が設置されていた。


「畜生、こいつもベトコンだったのか!?」


・・・しかし、それは我々を傷つける爆発物ではないようだ。まるで殺気が感じられないからだ。ただ、放置すると小さな何かが爆発的に増殖して飛び跳ねているビジョンが脳裏に浮かんだ。。。

・・・言葉少ない伍長がDOGON3を死守してくれていた訳を我々はようやく理解した。
(あんた女性兵士だったのね・・・)。



・・・しかし、DOGON3を伍長の大量の子孫の故郷とされても困る我々は、彼女と彼女の成果をできるだけ丁寧に草むらに移動させつつ、撤収をすすめた。


過酷な任務を終えたポリコットン幕も、今はただ静かに佇んでいる。(相変わらずべらぼうに重くて動かす気力がでないだけ・・・)


撤収時、目視と接触で確認できる結露はインナーテント床裏面のみで、TCフライシート自体は無事であった。グランドブルーシートはカーツ佐藤元大佐の厚意で貸与されたもので、ここには結露を確認した。

DODペンタタープには太陽の猛攻を足止めすべく殿(しんがり)をつとめてもらっている。彼はいつどんなときも冷静沈着で優秀な兵士である。ただし、今回はほぼ無風であったため退屈そうであった。・・・毎度彼が強風を手引きしているスパイでないことがわかり我々は安堵した。


この50mm速射砲を改造したタープポールも、カーツ佐藤元大佐が現地で貸与してくれたものである。各サイトに一門ずつ設置されていた。海軍からかっさらってきたものかもしれない。

愛想はないが見た目通り強靭な肉体の持ち主であった。
DAIWAスーパーライト700。いわゆる「単管パイプ」である。


・・・彼なら強風とも互角に戦える。曹長の脳裏にそんな直感が浮かんだという。
従来品から25%軽量化されたという彼を我が隊にスカウトしたい・・・。

しかし、現在の我がサンバーの外観ですら、ある日知人の結婚式に訪れた高級ホテル正面車付けで「あ、工事車両は裏口にお願いしますー」とベルボーイさんから一切の躊躇なく誘導されているのだ(実話)。礼服を着用してきた工事事業者って過去実在したというのだろうか・・・。

・・・その上さらに、彼をサンバーのルーフにとりつけてしまうと、パーフェクトな業務車両の外観がたちまちに完成するだろう。画竜に点睛するがごとしである。
つまり、現在の外観に微かに残る「レジャー用車なのかな?」という善意の推測は100%成立しなくなるのである。片田舎の農道や工事現場そばに駐車した際には、迷彩ネットなしで完全に景観へ溶け込むサンバーが容易に想像されるのである。。。。

果てしなく深く下らない葛藤の末に、我々は断腸の思いで彼をあきらめた。



AM10:00
全ての作戦行動を終えた我々は下山を開始した。

空軍共は今日もこりずに作戦行動中らしい。
・・・空中に真実などないというのに誠にご苦労である。


入道殿もわざわざ見送りにきてくれた。
















・・・目を閉じても瞼に焼き付いた空の青、雲の白、森の緑が浮かぶ。
全てが頼もしい味方であり、恐ろしい敵であった。

そのすべてを受け入れて我々は帰還する。
少しの正確な記録と、沢山のおぼろげな記憶を抱えて。


・・・謎が多いとされる「オペレーションスターウインドー」の活動最深部は、我々と物好きな読者諸君の中だけに共有された、どうでもよい大切な機密であることを確認しつつ、この非公式報告を終える。


・・・ん、結局、今回の彼の地の良いところは何だったのかだと?
その正解なき答えを求めるならば諸君自身が現地で見つけるべきだろう。
カーツ佐藤元大佐はいつでも諸君の試みに協力してくれるはずだ。

各人の武運を祈る。

-完-


ロケ(?)地:山梨県北杜市「スターウインドー」
http://www.starwindow1.com

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